觀音菩薩

観音菩薩

観音さまというのは日本では恐らく一番信仰を集めている仏でしょう。この仏様は慈悲の心により、救いを求めている人があったらすぐにそこへ行って彼らを救済をすると言われており、如来様ほど恐れ多い存在でもないところから人気を集めたのではないかと思われます。

 観音は観世音の略で、また観自在菩薩ともいいます。インドではアバロキテシュバラで意味としては観自在の方が正しく、観世音というのは誤訳だとも言われます。しかし観音という言葉がこれほど定着してしまった以上、それは大変意味のあることだと考えた方がよいでしょう。

 短いお経として有名な般若心経の冒頭は「觀自在菩薩 行深般若波羅蜜多」となっています。あの三蔵法師もインドへの旅の途中繰返し繰返し般若心経を唱えていたといいますが、彼はその中で観音様の名前を何度も何度も呼んでいたことになります。観音は衆生を救済に顕れる時、多くの姿をとると言われます。そういった信仰から成立したもののひとつがいわゆる六観音で、聖観音・千手観音・十一面観音・如意輪観音・馬頭観音・准胝観音です。

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